2017年5月15日月曜日

スマートに快適エイジングを
                                 三津井博昭
 高齢社会をポジティブに受け止め、社会の活性化につなげようと産学官連携で推進する「スマート・エイジング」の活動が注目されている。
 少子高齢社会に世界で最初に突入した日本。 子どもから高齢者までいかに1人ひとりが持てる「脳力」を高め存分に活躍できるかが、健全な社会を維持するための課題となっている。日本は超高齢社会のトップランナーであり、少子化という大問題も抱えている。2030年には総人口の30%以上が65歳以上の高齢者になるので、年を重ねることを後ろ向きに捉えたのでは社会は成り立たない。逆に加齢は人としての成長の機会と考え、そう言えるための個人や社会を作るにはどうしたらいいか。そこからスマート・エイジングという言葉が生まれた。
 もともとアンチ・エイジングはアメリカ発で世界に広がったもので、若さにこだわり年を取ることを否定する考え方。これに対し、日本にはスマート・エイジングの考え方が古くからある。室町時代の能役者で能作者の世阿弥は「風姿花伝」の中で、「まことの花」は成熟した人間の内側からにじみ出て咲く本物の花であるとし、若い生命が持つ鮮やかな美しさである「時分の花」と対比している。
 スマート・エイジングは、散ってしまった「時分の花」を振り返る後ろ向きの生き方ではなく、積極的に「まことの花」を咲かせようとする前向きな人生のあり方を提唱。    「まことの花」を咲かせることは、年齢を重ねるにつれて物事の見方が深まり、視野が広がって人生が豊かになっていくことを意味する。
 実際に個人がスマート・エイジングを体現するためには、脳を使う習慣、身体を動かす習慣、バランスの取れた栄養、人と積極的に関わる習慣等が重要だ。人の加齢変化では、頭の回転速度が遅くなり記憶容量が減っていくが、どちらも脳の前頭葉にある前頭前野という領域が支配しており、その劣化が生活の質を下げている。 もし衰えたとしても、代償する手段があればいい。あまり歩かない人がフィットネスに通うのと同じように、脳を使うことが奨励される。その効果は、脳機能がしっかり上がり、軽度認知障害の方は正常に戻ることが多い。 脳の機能は身体と同じで放っておけば衰えるので、根気よく続けてやることが大切だと言われている。

 NPO生きがい大阪の諸活動、ディスコン、ADL,マイノート、生きがい講座などを、積極的に利用して、脳を使い、身体を動かす習慣を習得しませんか。

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